現在の最低賃金140ドルに対して、今回の賃上げ交渉では3つの賃金水準が出てきてました。
- 組合側の要求は171ドル。
- 雇用主側が147ドル。
- 政府が148ドル。
以上の3つの中で、政府案の148ドルで決まりかけたところ、フンセン首相の一言で5ドル加えて153ドルに決着したとのことです。
ちなみに、昨年度もフンセン首相の一言で5ドル上がっていますので、これがこの国のやり方なんでしょう。
ちなみに、隣国のベトナムでは2017年の最低賃金が168ドルに決まっており、来年の両国の差は15ドルに縮まりました。
労働者の視点に立ってみると、この記事にあるグラフの通り、賃金はここ5年ほどの間でも倍以上と急激に増加しているのは確かですが、カンボジアはタイやベトナムからの輸入品が多く物価がそこまで安くない現状を考えると、そんなに生活は楽にはならない値だと思います。それなんで、153ドルでも安いわ!っていうのも理解できます。
一方で東南アジアの国を比較した場合、正直カンボジアに進出するメリットってかなり薄れるんじゃないかなあという危機感を強く感じます。カンボジアとベトナムを比べただけでも、ベトナムは祝日も少ないし、ワーカーの生産性は高いし、対日本への輸出入はしやすいし、電気は安定してて安いし。
正直カンボジアは次の選挙でどう転ぶか不透明なのも結構怖い部分があります。
今年に入ってカンボジアから撤退し、ベトナムに移転する企業が増えているようですが、来年もその傾向が続くような気がします。
同感です。「カンボジア経済」のレポートによると今年になってカンボジアの縫製業の約20%が会社をたたんでいるとのこと。また、ベトナムやタイ、インドネシアやフィリッピンの通貨の対ドル下落幅はカンボジアの通貨より大きくなっています。
返信削除コメントありがとうございます。
削除そうですね、通貨としてみてもカンボジアには不利な環境になっているのですから、フンセン首相としてもかなり難しいかじ取りになりそうですね。